フィンランドへ留学する娘のためにも…..「俺はまだ本気出してないだけ」

1.「俺はまだ本気出してないだけ」の関連動画と作品概要

 

1)関連動画

 

映画『俺はまだ本気出してないだけ』予告編

 

 

2)作品概要

 

作品名:「俺はまだ本気出してないだけ」

 

監督:福田雄一

出演:堤真一

 

本作は、小学館「月刊IKKI」に連載されていた、青野春秋(あおのしゅんじゅう)原作の漫画を実写化したものなんです。

主人公の大黒シズオ40歳が、何のプランもなく会社を辞め、突然、漫画家を目指すことから様々な事件を巻き起こすコメデイ作品です。

私、実は、福田雄一監督作品は初めてなんです。

 

「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」(2008)の脚本は彼ですね。

 

 

2.フィンランドへ留学する娘

 

1)建築家を目指し留学しようとする娘

 

 

シズオの娘、鈴子(橋本愛)が、あまりにもいい子なので、これはきっと何か闇を抱えているか、どこかで本性を現わすんじゃないかとずっと思って観てました。

 

でも裏切られましたね。

最後の最後までいい子なんです。

こんな娘がいるのか?というくらい。

 

風俗でバイトしていて父シズオと鉢合わせするのですが、彼女がバイトしていたのも、家に固定収入がないからですからね。

 

シズオに「2万円貸してくれ」と頼まれても「いいよっ」とすんなり貸してしまいます。

 

父シズオがグータラ人間に描かれているので、その対比が印象的でした。

グレそうなのに全然、そういう気配がないんです。

 

娘の鈴子は建築の勉強のためにフィンランドへ留学したいと考えているんですね。

それが明らかになるのはかなり終盤になってからのことです。

 

フィンランドは教育水準の高い国として知られていますが、建築の分野ではどうなんでしょう?

建築の分野では、世界的な建築家・デザイナーのアルヴァ・アールトという人を輩出した国なんですね。

北欧家具というのも有名ですし、その分野の水準は高いのでしょうね。

 

彼女がなぜ建築を目指すのかはわからないのですが、でも父シズオを見ていて、こんな風になってはいけないと思ったか?

はたまた、40歳を過ぎて家族の迷惑省みず自分の夢を実現しようと悪戦奮闘する父を誇りに思ったか?

 

どちらでしょうね?

 

私は後者だと思いたいです。

 

父の姿を見て、自分も夢に向かって邁進しようと考えたのだと・・・

 

でも、そんな健気な一人娘に留学したいと言われたら、お父さん頑張るしかないでしょ・・・

 

 

2)40歳でまだ本気出してないオヤジ

 

でもグータラなんですよ、シズオが。

 

家族(父の志郎と娘の鈴子)の前でも平気で朝からTVゲームに興じているし。

普通、父親とか娘の前だともうちょっと格好つけるでしょ?

それが全然、平気ですから、このシズオは。

 

あきれるほど傍若無人です。

 

でもだからこそ、こんなバカげた挑戦ができたのかもしれません。

 

周りの目を気にしてたら出来ないことですよね。

 

シズオですが、しかし、徐々に変わっていきます。

 

いつのまにか真剣に漫画に没頭するようになっていきます。

 

何かどこかで劇的に変化するわけではないんですよ。

 

でもこの少しずつ彼が変化していく様が描かれていてよかったですね。

 

 

3)いつまでたっても子どもは子ども

 

一番笑えたシーンは序盤です。

 

シズオの父、志郎(石橋蓮司)がシズオに向かって「お前はバカなんだなー」と、しみじみ泣くシーン。

 

ここ思いっきり笑えましたよ。。。

 

「我が息子はホントにバカだったんだ・・・」とハタと気づき愕然とした親の悲哀が現れていて、でも滑稽で、すごくおかしかったです。

 

でも「お前なんか好きにしろ!」とか言って突き放したりしないんですよ。

 

いつまでも小言を言い続けるシズオの父、志郎なんです。

 

そんな父親に対してシズオも逃げたりしません。

 

なんせ、自分は出来る、自分は正しい、と信じてますからね。

 

なので結果、二人のコミュニケーションはちゃんと成立しているように思えました。

 

ある意味、いい親子関係なのかもしれません。

 

 

 

4)ラッパ飲みさせていただきやす

 

 

彼に触発されたか、周りの人間も変化していきます。

 

友人のサラリーマン宮田(生瀬勝久)もそうですし、なかなか仕事が続かない金髪(山田孝之)もそう・・・

 

この3人がいつも集まる居酒屋があるのですが、シズオが遅れて入って来て、「ラッパ飲みさせていただきやす。」と言うなり、瓶ビールをラッパ飲みするシーン。

 

瓶ビールをラッパ飲み?!

ありえないでしょ、いまどき。

 

いや、良かったですよ、このシーン。

カッコつけてなくって、本気で生きようと俺は奮闘してるんだって感じが出てました。

 

私のお気に入りのシーンになりました。

 

 

3.あとがき

 

 

シズオを演じた堤真一ですが、原作漫画における主人公のイメージとはかなりかけ離れています。

 

普段かっこいい役の似合う堤真一ですが、本作では、変なもじゃもじゃ頭に無精ひげ、でも、とてもいい味出していますよ。

 

どんな漫画なのか興味が湧き、全5巻セットをつい購入してしまいました・・・

 

 

 

 

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